残すところ、2カ月足らずとなる2025年。
そろそろ、2026年の正月花を考え始める頃。
今年のお正月飾りはどうだったのかな?と、アルバムを繰る。
まず目に留まったのは、花友さんと巡った、神戸元町・大阪梅田付近の商業施設前の門松の記録。
関西に住んでいるので、見かけるのは「西の門松」
毎年毎年、なんで🎍門松🎍を飾るのか?起源は?どうしてその植物なの?を整理してみた。
🎍2025年 門松 神戸元町周辺





🎍2025年 門松 大阪梅田周辺







🎍なんで門松を飾るの?
門松は、日本の正月飾りのひとつ。
古くから「年神様(歳神様)」が新しい年の始まりに家々に訪れると考えられていて、
門松は「年神様(歳神様)」が迷わず家に来られるようにするための目印として家の門前に飾られていた。
- 年神様(歳神様)とは山の神・海の神・先祖様とも考えられている。
- 松は常緑樹で、生命力・長寿・不老不死の象徴。松は「待つ」に通じることから、年神様を待つ木として飾られてきた。
ちなみに・・・年神様が宿るのが鏡餅。門松は年神様が降りてくる目印。しめ縄飾りは結界のような役割を持つ。
🍊鏡餅の意味と由来🍊
- 年神様が宿ると考えられている鏡餅は床の間や、家族が集う場所に飾る。
- 年神様の依り代(よりしろ)
鏡餅は、新年に訪れる「年神様」が宿る場所。幸福や豊作をもたらしてくれる神様を迎えるための神聖な飾り- 丸い形の意味
餅の丸い形は、古代の神事で使われた「銅鏡」に由来。神聖な力が宿ると考えられ、円満・調和・永続の象徴。- 二段重ねの意味
上段と下段の大小の餅は「太陽と月」「陰と陽」「天と地」などの対を表し、福徳が重なる縁起の良い形。- 飾りの意味
- 橙(だいだい):「代々家が続くように」という願い。橙の実がなると、4~5年は落果しないことから、めでたい果樹とされる。
- 裏白(うらじろ):表は緑、裏は白。シダ類。裏を返しても心は白いという潔さ。2枚の葉が向かい合って茎につくことから夫婦円満。白髪になるまでの長寿。
- 昆布:「よろこぶ」の語呂合わせ。
- ゆずり葉:世代交代と家系の繁栄を願う縁起物。その名の通り「譲る葉」古い葉が落ちる前に新しい葉が育つという特徴があって、世代交代や家系が絶えず続くことの長く続く、落ちないという意がある。
🎍門松の起源はいつから?
平安時代の宮廷儀礼「小松引き」が起源とされ、武家文化の影響で竹が加る。現在の門松の形は、時代を経て地域性が加わったもの。ちなみに現代でも、根付き松を門前に飾る地域がある。
『堀河百首』には、平安時代の貴族・藤原顕季(ふじわらのあきすえ 1055年ー1123年)が詠んだ門松についての和歌が収められています。
門松は 冥きみ空に たてるかな 千代を契ると 見ゆる白雲
(かどまつは くらきみそらに たてるかな ちよをちぎると みゆるしらくも)この歌は、門松が冬の曇った空に立っている様子を詠んだもので、「千代を契る」とは、長寿や永遠の繁栄を願う気持ちが込められ、白雲は神の降臨を象徴するものとしても読める。この歌の光景をすぐに想像できるのが有難い。900年前の人々の想いと通じているようで、あたたかい気持ちになる。
🎍門松の構成
門松に使用される植物と意味
地域によって使用される植物は様々のようです。よく使用されている植物の縁起物を記します。
- 松・・・ 長寿・不老不死
- 竹・・・ まっすぐな心・しなやかな強さ
- 梅・・・ 厳冬に咲くことから忍耐・希望・新しい始まり
- 南天・・ 難を転じて福となす
- 葉牡丹・ 紅白で祝う華やかさ
門松の東西の雰囲気の違い
- 関東:松と竹で構成され、シンプルですっきり。
- 関西:松と竹に、梅や葉牡丹などが加わり、華やか。
竹の切り方の種類
- 寸胴切り・・・竹の切り口が水平で、落ち着いた印象。銀行や企業など、安定や信頼を重んじる場所にも好まれる。切り口が「口を閉じている」ように見えることから、「お金が逃げない」「福をしっかり受け止める」といった意味も込められる。
- そぎ切り・・・2パターンのそぎ(切り)方がある。起源は1572年の三方ヶ原の戦いで、徳川家康は武田信玄に敗北。家康はこの敗北を深く悔やみ、竹を武田信玄の首に見立てて斜めに切ったといわれてる。
- 竹の先端を斜めにカット→見た目には切り口は鋭く、勢いと邪気を寄せ付けない。
- 竹の節の上をカット→見た目には「笑い口」に見えることから「笑う門には福来る」に見立てる。
🎍門松の飾り方
玄関の両脇に左右一対で飾る。玄関向かって左側に雄松、右側に雌松。
- 竹が3本ある場合、設置する位置に意味がある。
- 「外飾り」2番目に長い竹が外側に置くと、災いを外に出す。
- 「内飾り」2番目に長い竹が内側に置くと、福を呼び込む。
☆昨今の個人宅では、住宅事情もあり1基のみを飾ったり、小さな門松を玄関内にと、様々な飾り方を楽しむ光景をみる。
🎍門松はいつ飾る?いつまで飾る?
12月13日の松迎え~松の内の間とされている
- 12月13日 江戸時代、鬼宿日という最上の吉日とされて、年神様を迎えるにふさわしいとされ、松を取りに行く日。
- 松の内の間とは、年神様が家に滞在しているとされる期間。
飾り始め (おすすめは12月28日)
とはいえ、現代では玄関先にクリスマス飾りをすることも多い為、正月飾りは12月28日がおすすめ。
- 12月28日は「八」は末広がりの数字で吉。
- 12月29日は「苦が待つ(苦松)」と読めるため、避けたいところ。
- 12月31日は「一夜飾り」とされ、急ごしらえで縁起が悪いとされてる。
片付ける時期(東は1月7日 西は1月15日)
- 関東地方では、1月7日(七草)までが「松の内」で、この日に片付けるのが一般的。
- 関西地方では、1月15日までと言われているが、昨今では15日までに片づけている印象がある。
🎍門松のしまい方
- 地域の神社などで開催されるとんど焼き(どんど焼き・松焼き)に持ち込む。
- 参考までに 神戸市立森林植物園のとんど焼き見つけました。
- 持ち込めない場合は、地域ゴミ分別に従って、塩で清めて感謝の気持ちを込めて処分。
紙門松って何?
- 「紙門松」は、門松の絵柄が印刷された紙の正月飾りのこと。森林保護のエコ対策として考案されたよう。市町村においては「紙門松」を用意しているところもあります。
- 参考までに 紙門松の無料ダウンロードを見つけました。
感想
家族・友人・縁あるすべての人・そして家や企業の成長、繁栄、健康、幸福を願って飾る門松。
平安時代から続く人々の想いが形として残っていることに驚きと感動する。
教科書のようなものがなくても、口伝えや見よう見真似で受け継がれ、その時代の要素を加えなが
ら飾られてきた。
時代によって、飾れない年もあったに違いない。
それでも辛い時代を乗り越え、いいものは受け継がれ、今を生きる人たちの生活の中でいかされ
る。
幸福を願う気持ちは、いつの時代も変わらないのだと実感するとともに
植物を扱う自分としては、背筋がピシッと伸びる気持ちになる。
さらには、いろいろ整理し箇条書きにしていくと、記録した写真の見え方も変わっていく。
職人さんやその家の主の心意気まで見えてくるような気がしてきた。
ますます日々鍛錬だ!!
そんな想いで、2026年 馬くいくように願うばかりです。
それはそうと
お正月花どうしよう(^^♪
最後まで、ご覧いただきましてありがとうございます。
皆さまも
2026年も何事も馬くいきますように(^^♪
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